★舞台「正しいオトナたち」 東京グローブ座 [舞台]
(ネタバレしてます)
子供同士の喧嘩を発端として、話し合いを持つためにミッシェルとヴェロニック夫妻の家を訪れたアランとアネット夫妻。良識ある大人として感情を抑えて、感じよく冷静に子供たちのことを話し出す4人。
が、弁護士であるアラン(岡本健一)が顧問である製薬会社からの電話を受け続け、携帯を離そうとしない。妻であるアネット(中嶋朋子)は子供が怪我を負わせてしまった相手のミッシェル(近藤芳正)とヴェロニック(真矢みき)夫妻に詫びながら遠慮しつつ、次第に夫に苛立っていく。。
ミッシェルがおいしいラム酒を取り出した辺りからそれぞれの本音が出てきて、子供の喧嘩のこともあるのだが、夫婦関係の問題なども浮き彫りになり、だんだんと着乱れ、精神的にも崩れていく。まさにボロボロになりながら、険悪になったり、仲良く盛り上がったりと、もうなにがなんだかわからない混沌の状態になっていく。
盛大に吐き散らかして、髪を解き、上着を片方の手に掛けたままの中嶋朋子が凄い。家庭を顧みない夫に代わり、自分も仕事を持ちながらすべてを受け持ってきた妻のたがが外れた。女のなかにどれほどのものが隠されていたのかと恐ろしくなる。
また冒頭、顔の表情だけで演技していたのだが、客席にまできちんと伝わってきた。
一方、夫であるアランは自分勝手な幼児性を垣間見せながら、携帯に齧りついている。
その場にほどよく参加しながら、携帯の会話へとスイッチしたり戻って来たり。その切り替えが自然で芸達者ぶりを感じさせた。
終盤、アネットがその携帯を取り上げて、チューリップを生けていた水を満たした容器のなかへと投げ入れる見事さ。その後のアランの動揺、嘆き、虚脱。その変化が楽しい。
誰にたいしてもいい人のミッシェルが、下の子のペットのハムスターを捨ててしまったことがわかって、その場の全員から責められる。必死に反論するも、理解されず。いい味が出ていた。
全員が酒に酔って本音を吐き出して、ヴェロニックもぼろぼろになっていたのだが、下の子からハムスターを心配する電話がくると俄に母親らしく振る舞い、子供を傷つけないように嘘をつく。その雄弁さ、その存在感には圧倒された。
そしてミッシェルが次に話したいと言っていたのに、自分の用が済むと決然と電話を切るヴェロニック。そこに強い意志が感じられた。
上村聡史さんの演出ははちゃめちゃで面白い。ミッシェルの母親からも何度も電話がかかってくるのだが、こちらは受話器から音声が漏れてきて、その厄介さが伝わってくる。
その母親の処方された薬というのが、アランの顧問をしている製薬会社の問題になりかけている薬で、ミッシェルは飲んだら駄目だと言い、アランはそのまま飲み続けて経過を知らせるように言い、もうなにがなんだかこんがらがっている。
が、弁護士であるアラン(岡本健一)が顧問である製薬会社からの電話を受け続け、携帯を離そうとしない。妻であるアネット(中嶋朋子)は子供が怪我を負わせてしまった相手のミッシェル(近藤芳正)とヴェロニック(真矢みき)夫妻に詫びながら遠慮しつつ、次第に夫に苛立っていく。。
ミッシェルがおいしいラム酒を取り出した辺りからそれぞれの本音が出てきて、子供の喧嘩のこともあるのだが、夫婦関係の問題なども浮き彫りになり、だんだんと着乱れ、精神的にも崩れていく。まさにボロボロになりながら、険悪になったり、仲良く盛り上がったりと、もうなにがなんだかわからない混沌の状態になっていく。
盛大に吐き散らかして、髪を解き、上着を片方の手に掛けたままの中嶋朋子が凄い。家庭を顧みない夫に代わり、自分も仕事を持ちながらすべてを受け持ってきた妻のたがが外れた。女のなかにどれほどのものが隠されていたのかと恐ろしくなる。
また冒頭、顔の表情だけで演技していたのだが、客席にまできちんと伝わってきた。
一方、夫であるアランは自分勝手な幼児性を垣間見せながら、携帯に齧りついている。
その場にほどよく参加しながら、携帯の会話へとスイッチしたり戻って来たり。その切り替えが自然で芸達者ぶりを感じさせた。
終盤、アネットがその携帯を取り上げて、チューリップを生けていた水を満たした容器のなかへと投げ入れる見事さ。その後のアランの動揺、嘆き、虚脱。その変化が楽しい。
誰にたいしてもいい人のミッシェルが、下の子のペットのハムスターを捨ててしまったことがわかって、その場の全員から責められる。必死に反論するも、理解されず。いい味が出ていた。
全員が酒に酔って本音を吐き出して、ヴェロニックもぼろぼろになっていたのだが、下の子からハムスターを心配する電話がくると俄に母親らしく振る舞い、子供を傷つけないように嘘をつく。その雄弁さ、その存在感には圧倒された。
そしてミッシェルが次に話したいと言っていたのに、自分の用が済むと決然と電話を切るヴェロニック。そこに強い意志が感じられた。
上村聡史さんの演出ははちゃめちゃで面白い。ミッシェルの母親からも何度も電話がかかってくるのだが、こちらは受話器から音声が漏れてきて、その厄介さが伝わってくる。
その母親の処方された薬というのが、アランの顧問をしている製薬会社の問題になりかけている薬で、ミッシェルは飲んだら駄目だと言い、アランはそのまま飲み続けて経過を知らせるように言い、もうなにがなんだかこんがらがっている。
ともかく何度も堪えきれずに笑った。そしてときどき感慨を抱いた。
4人4様、オトナの体当たりの演技が素晴らしかった。ココマデヤルカ?
公式サイト
https://www.tadashiiotonatachi.com/
2019-12-23 02:38
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